CSテキスト2年目年3月第4週目

 

出典元「こひつじ」

 

「見ないで信じる者はさいわいです」

 

【暗唱聖句】

 ヨハネ20:29

「あなたはわたしを見たから信じたのですか。見ずに信じる者は幸いです。」

 

【テキスト】 ヨハネ福音書20:24~29

 

【目標】

イースターの時期に、イエス様の復活をさまざまな人物の視点から観察していくことによって、復活がどのように、各個人の人生に影響を与え、変えていったのか、また、それは、今日の私達にどのような意味と教訓を与えているのかを見ていく。

 

前回は、マグダラのマリアの復活のイエスとの出会いを取り上げた。

今回は、トマスを取り上げる。

 

1 トマスはイエス様の復活を信じることができませんでした

 

トマスさんは、イエス様に選ばれた十二弟子の一人でした。先週のお話しを思い出してみましょう。よみがえられたイエス様が、二人の弟子に現れて下さって一緒に歩いて下さいました。そしてそのあと弟子たちのいる家に現れてくださったお話しをしましたが、実はそのイエス様が現れて下さった時に、残念ながらトマスさんはそこにいませんでした。用事があって出かけていたのでしょうか?それはわかりません。とにかくトマスさんは、イエス様が復活して現れて下さったその場所にいなかったのでした。

 

トマスさんは、仲間の弟子たちから「イエス様が現れた」というビックリする話しを聞かされました。この話しを聞かされた時のトマスさんの気持ちはどんなだったと思いますか?

周りのみんなは本当にうれしそうに話している。でも自分はイエス様を見ていない。みんなは復活したイエス様にお会いしたのに、自分はお会いしていない。自分だけが話しについていけなくて、少し寂しかったかもしれません。

 

そんなトマスさんに弟子たちは「トマス、私たちは本当にイエス様にお会いしたんだよ」「イエス様が一緒に歩いて下さったんだよ」。とうれしそうに話しました。でもそんな話しを聞いても、トマスさんはそう簡単に信じることが出来ませんでした。

トマスさんは言いました。「あのさあ、なんで人間がよみがえるんだよお?そんなバカなことがあるわけないだろ?冗談じゃないよ。絶対にそんなことなんかあるはずがないよ」。「本当のイエス様なら、手にくぎを打たれた傷あとがあるはずだ。そして、わき腹には槍で刺された傷あとがあるはずだ。僕はそのくぎのあとに指を入れ、槍のあとに手を差し入れてみなければ絶対に信じないぞ。」。 トマスさんは、他の人の言葉だけでなく、自分の目でちゃんと確かめて納得したいと思いました。自分の目で見てもいないことを信じるわけにはいかない、と思ったのです。

 

2 イエス様がトマスや弟子たちの前に現れました

 

それから一週間がたちました。弟子たちは同じ部屋に集まっていました。トマスさんも一緒でした。弟子たちはイエス様が捕まってしまったので、自分たちも捕まるかもしれないと思い家の戸にはカギをかけていました。ところが気がつくと、なんとイエス様が部屋の中に立っていらっしゃったのです。そして「神様の平安が、あなたがたにあるように」と、弟子たち一人一人の顔を見つめておっしゃいました。弟子たちはみんな驚きました。でもイエス様にお会いできて本当に喜びました。今回はトマスさんも一緒です。イエス様はビックリしているトマスさんに向かっておっしゃいました。

「トマス、さあ、あなたの指をわたしの手のくぎあとにつけてみなさい。あなたの手を伸ばしてわたしのわき腹へ差し入れてごらんなさい」。 トマスさんは、目の前に立っておられるイエス様を、ただビックリして見つめるだけでした。トマスさんが、「くぎあとやわき腹の傷に触ってみなければ信じない」と言ったことを、どうしてイエス様はご存じだったのでしょうか。

 

3 トマスはイエス様の復活を信じることが出来ました

 

いま自分の目の前におられるのは、実際に触って碓かめなくても、間違いなくイエス様です。

イエス様はトマスさんに向かって言いました。「トマス、信じない者にならないで、信じる者になりなさい。」トマスさんはすぐに答えました。「はい、私の主、私の神であるイエス様」

 

すると「あなたはわたしを見たから信じたのですか、見ないで信じるほうがもっと幸いなのですよ。」とイエス様は言いました。

 

イエス様はトマスさんが信じることができるようにと、トマスさんのために現れてくださったのです。

トマスさんは、以前「イエス様の傷痕を見ないと信じない」と言っていましたね。それはトマスさんの素直な言葉でした。イエス様は、そのトマスさんがわかるようにイエス様が復活したことを示してくださいました。イエス様は私たちの本当の心を理解してくださるお方です。イエス様の前に頑張る必要はありません。むしろ、イエス様は素直で正直な心を喜ばれます。イエス様は、信じないトマスを叱らないで、イエス様から現れてくださり、トマスが信じることができるように、わざわざ傷痕を見せられました。イエス様は、私たちのことをよくご存知です。

 

4 結論 イエス様は「見ないで信じる人は幸いです」と言われました

 

トマスさんは自分の目で見て、そして自分の手で触らなければ信じないと言っていました。しかし、実際には触らなくても、見ただけでイエス様の復活を信じました。イエス様はトマスさんに「あなたは私を見たから信じたのですね」と言いました。そして、続けて「見なくても信じる」という世界があることをトマスさんにお示しになりました。

 

「見なくても信じる」とはどういうことでしょうか。それは「聞いて信じる」ということです。聖書は、旧約聖書の始めから、ずっとこのことを大切にしています。

 

 アブラハムさんは、「子どもと土地が与えられる」という神様からの約束を信じて、義と認められ、約束の子イサクさんが与えられました。(創世記 156

イサクさんも、ヤコブさんも神様の約束を信じて祝福されました。(創世記 2624)(創世記 32 章)

ノアさんも、まだ見ていないことについて、神様の命令を聞いて信じ箱舟を造りました。そして家族が救われ、人類が救われたのです。

ギデオンさんも、神様の方法を信じて戦いに挑みました。その結果、勝てるはずのない敵を打ち破って自分の国を救うことができました。

 

見ないのに信じる人は幸いです。

この幸いな人とは誰のことでしょうか?

今日ここにいる、私たち一人一人のことです。みんなは、トマスさんや他の弟子たちのように、イエス様を見ることも触ることもできません。でも見えないけれど生きておられるイエス様を信じることができるのです。

 

でもイエス様は、見ないでも信じるこ人は幸いですとおっしゃいました。

見ないで信じることができる人になりましょう。

また信じることができるようにお祈りしましょう。

 

神様の言葉である聖書を読みましょう。

「信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。」 

ローマ1017

 

 


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