CSテキスト 2年目71週目

旧約聖書シリーズ3

 

「罪を告白したダビデ」

【聖書】

IIサムエル11-12章

暗唱聖句 Iヨハネ1:9 or 詩篇51:17

 

【聖書の概要】

 

■王誕生の経緯 ダビデは王になりました

サウルとその息子たち(ヨナタンも)はペリシテとの戦いで死にました(第1サムエル31章)。第2サム エル記は、ダビデがサウルの死を聞いて悲しむ記事から始まります。1-2章では、その後、ダビデはま ずユダ(南の部族)の王となります。そして5-6章では、全部族を統治し、王国の首都をエルサレムの町 に定めます。契約の箱もエルサレムに持ち帰りました。30歳で王になり、40年間、王であったとありま す(5:4)。神さまは、ダビデ王を大いに祝福されました。みなさんも、ダビデが、みことばに従う、強くて 正しい王様だと知っているでしょう。今日のお話は、ダビデが王になってからおよそ20年経ったころのこ とです。正義をもって国を治めていたダビデ王ですが、大きな罪を犯してしまいます。

 

ダビデは罪を犯しました(11章)

 ある夕暮れ時、ダビデが王宮の屋上を歩いていると、ひとりの非常に美しい女性が見えました。ダビ デは、その女性を好きになりました。家来に調べさせると、彼女は、バテ・シェバという名で、ダビデの部 下であるウリヤという人と、もう結婚していることがわかりました。 ダビデの罪は、ウリヤの妻と知りながらバテ・シェバを召し入れた妊娠した子を夫婦のものと思わせ るために、ウリヤを戦地から呼び戻したが、妻のところに戻らないので、彼を戦死させるように仕組んだ ということです。

 

※どの程度詳しく説明するかは、教師が判断してください。

 

例1)しかし、ダビデは、がまんできず、バテ・シェバを王宮に呼び寄せ、ふたりでひと晩いっしょに過ごしてしまいました。ダビデは、人の奥さんを奪おうとする罪を犯したのです。しかし、ダビデの罪は、それでは終わりませんでした。なんと、ウリヤを激しい戦地に行かせ、わざと死なせようとしたのです。 ウリヤはダビデの軍に忠実に仕える兵士でした。まず、ダビデはウリヤを戦地から呼び戻しました。 そしてもう一度戦地に送り返しました。その時、ダビデ軍の長であるヨアブに手紙を書き、ウリヤに 持たせました。その手紙にはこう書かれてありました。「ウリヤを激戦の真正面に出し、彼を残して あなたがたは退き、彼が打たれて死ぬようにせよ。」 ヨアブはその通りにし、ウリヤは戦死しまし た。これは恐ろしい計画殺人です。ダビデは、バテ・シェバに対する罪をごまかすために、王の権力 を利用してウリヤを殺すという、さらに大きな罪を犯したのです。しばらく経ってから、ダビデはバテ・ シェバと結婚しました。


 
例2)どうしてもバテ・シェバと結婚したかったダビデは、恐ろしいことを考えました。夫ウリヤが敵に殺さ れるように、わざと激しい戦地に送ったのです。ダビデは、軍隊の長ヨアブに手紙を書いて、「ウリヤ を激戦の真正面に出し、その上で、彼だけ残して他の兵は逃げなさい。彼が敵にやられて死ぬよう に仕組みなさい」と命令しました。ヨアブはその通りにし、ウリヤは死んでしまいました。これは恐ろしい計画殺人です。ダビデは、奥さんを奪うために、王の権力を利用してウリヤを殺すという、大きな 罪を犯したのです。しばらく経ってから、ダビデはバテ・シェバと結婚しました。」

 

  神さまはナタンをとおしてダビデの罪をしめしました(12:1-12)

 神さまは、ナタンという人を、ダビデのところに遣わされました。ナタンはダビデに、金持ちの人が、貧 しい人の飼っていた大切な羊を取り上げた話をしました(1-4節をよく読んでください)。 すると、ダビデは、その話に出てくる金持ちの男に対して激しい怒りを燃やし、ナタンに言いました。 「そんなことをした男は死刑だ!あわれみの心もなく、そんなことをしたのだから、その雌の子羊を4倍に して償わなければならない。」 ナタンはすかさず、ダビデに言いました。「あなたがその男です!」 ナタンは神さまのことばを語ました。「主はこう仰せられる。『わたしはあなたを、イスラエルの王とし、サウルの手からあなたを救い出し た。さらに、家や奥さん、イスラエル全土さえも、あなたに与えた。それでも少ないというのなら、もっと多 くのものを増し加えたであろう。それなのに、どうしてあなたは、わたしの目の前に悪を行なったのか。あなたはウリヤを剣で打ち、その妻を自分の妻にした。あなたが彼をアモン人の剣で切り殺したのだ。』 」

 

ダビデは罪を告白しました(12:13-31、詩篇51篇)

 それを聞いたダビデは、すぐにナタンに「私は主に対して罪を犯してしまいました」と言いました。正直 に自分の罪を告白したのです。 詩篇51篇は、ダビデが、この時の悔い改めの気持ちを表現したものです。「私は罪を犯し、悪を行な いました(4節)」 「私を洗ってください。そうすれば私は雪よりも白くなりましょう(7節)」 「神へのいけに えは、砕かれたたましい。砕かれた、悔いた心。あなたはそれをさげすまれません」・・・と、ダビデは自分 の罪を素直に悔改めて祈ったのです。 神さまは正直に罪を告白したダビデを赦してくださいました。しかし、神さまの言われたとおり、ダビデ とバテ・シェバの間に生まれた子どもは死にました。

 

ダビデは罪を犯しましたが、それを正直に告白しました

 

適用例

 強制的ではなく、愛をもって、悔改めに導きましょう。Iヨハネ1:9

 罪を犯してしまったら、ダビデのように正直に告白しましょう。神さまは、必ずゆるしてくださいます(Iヨ ハネ1:9)。

 

イエスさまは、私たちの罪の身代わり に、十字架で命の代価をはらってくださいました。罪がゆるされるということは、すばらしい恵みです。イ エスさまの愛を信じて、あなたの心の中にある罪を、今すべて告白しましょう。あなたの心は真っ白になります。必ずゆるして下さるのですから、私たちがすることは、悔改めて告白することだけです。

 

 

イエスさ まの方が先に十字架にかかってくださったのです。ですから、あなたが告白せずに、心を閉ざして罪を隠 していたら、イエスさまは悲しまれます。正直な心を喜んで受け取ってくださいます。 ダビデは、ひとつの罪を犯して、それをごまかすために、もっと重大な罪を犯してしまいました。これか らも、罪を犯してしまったときは、すぐに悔改めのお祈りをしましょう。隠したり、ごまかしたりしようとする と、どんどん深みにはまってしまいます。 私たちは、罪を犯してしまうものです。だれでも、悔改め、神さまに赦してもらいながら、少しずつ成長 します。

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