CSテキスト2年目6月第4週目

聖書物語シリーズ「サムエル記」

(引用元:こひつじ)

 

「サムエル」

 

【テキスト】 サムエル記上 1章-3章

【導入】

サムエルは聖書の中では特別な人です。サムエルは、最後の「さばきつかさ」であり、最初の「預言者」、そして「祭司」として神さまに用いられました。サムエルさんは、あの有名なダビデ王を任命した人です。そしてイスラエル王国をスタートさせた人です。

 

1 ハンナはサムエルを生みました(1章)(サムエルの誕生)

シロという町の神殿で、ハンナという女の人が熱心にお祈りしていました。ハンナはエルカナという人と結婚していましたが、まだ子どもがいませんでした。ハンナはそのことをとても悲しんでいたのです。ハンナは「もし神さまが、男の子を授けてくださいますなら、私はその子の一生を主におささげします」と祈りました。 

神殿の祭司エリは、ハンナがあまりにも熱心に祈っているのを見て、酒に酔っているのではないかと思いました。ハンナは、「酔っているのではありません。私は主の前に、私の心を注ぎ出していたのです」と言いました。エリは、ハンナが真剣に祈っていたことを知って、「安心して行きなさい。神さまが、あなたの願いをかなえてくださるように」と言いました。ハンナの顔は、平和と喜びの表情に変っていました。ハンナはやがて男の子を生みました。名前をサムエルとつけました。

 

2 サムエルは成長しました(2章)

神さまは、ハンナの願いをきいて、男の子を与えてくださいました。ハンナもまた、神さまに約束したことを守って、サムエルを神さまにささげることにしました。ハンナは、サムエルを祭司エリにあずけました。サムエルが3歳くらいのときでした。こうしてサムエルは、幼いときから両親のもとを離れ、神殿に住みました。祭司エリのもとで、神さまのご用を手伝いながら成長したのです。 

一方、一緒に暮らすエリの子どもたちは、神さまに背く者たちでした。彼らの「罪は、主の前で非常に大きかった」とあります。彼らは、神さまにささげ物をしようとする民を脅して、肉を取り上げてしまうような人たちだったのです。 

 

3 サムエルは神さまの声を聞き、そして伝えました。(3章) 

サムエルは成長して少年になっていました。ある夜、いつものようにサムエルが神殿で眠っていたときのことです。サムエルは、「サムエル、サムエル」と自分を呼ぶ声を聞きました。サムエルは、エリが寝ている部屋へ走っていって「はい、ここにおります、私をお呼びになりましたか」と言いました。ところがエリは、「いや、私は呼んでいないよ。帰っておやすみ」と言いました。そこでサムエルは、寝床に戻り、横になりました。すると、また「サムエル、サムエル」と呼ぶ声が聞こえたので、走っていき、「はい、エリ先生。お呼びになったので来ました」と言いました。しかし、またエリは「いや、私は呼んでいないよ。帰っておやすみ」と言いました。そこでサムエルが戻って寝ると、また同じことが起こりました。エリのところへ行って「はい、ここにおります、私をお呼びになりましたか」と言いました。もう3度目です。すると、とうとうエリは、サムエルを呼んでいたのは神さまだ、ということがわかりました。エリは、サムエルに言いました。「戻って寝なさい。そして今度呼ばれたら、『主よ。お話しください。しもべは聞いております。』と神さまに申し上げなさい。」 4度めに声を聞いたとき、サムエルは、エリに言われたとおりに答えました。すると神さまは、サムエルに語られました。それは「息子たちが神さまに罪を犯しているのに、エリはそれを放っておいたので、神さまが罰を与える」ということでした。 

朝になったとき、サムエルは、神さまのことばをエリに伝えるのが怖くなりました。しかしエリは「神さまがお告げになったことを隠さず全部教えておくれ」と言いました。それでサムエルは、すべてのことを話しました。エリはそのことばを受け入れ「その方は主だ。主がみこころにかなうことをなさいますように」と言いました。こうしてサムエルは、神さまから声を聞き、それを人々に告げる「預言者」になったのです。

 

【結論】

サムエルは、子どものときから神さまの声を聞き、仕えました

幼子でも、子供でも神の声を聞くことができます。また当時のイスラエルがそうであったように、良い環境と思われない状況でも(イスラエルの廃退、祭司の堕落)でも主は働かれるし、主の声を聞く者をおこしてくださるのです。日本のように周りのほとんどが未信者の中にあっても、子供たちがサムエルのように主の声を聞き、伝えるものになることを信じましょう。

 

【適用】 みなさんは、神さまの声を聞けると信じますか?

 

イスラエル人は、その昔はモーセなどを通して神さまの声をきいていました。しかし、「そのころ、主のことばはまれにしかなく、幻も示されなかった」とあるように、サムエルの時代には、神さまの預言をする人はほとんどありませんでした。そんなとき、特別に神さまの声を聞いたのは「少年」だったサムエルです。みなさんも、サムエルのように、小学生のうちから教会で育ったことは幸せです。

 

ただ教会に来ているだけでなく、神さまに心を向けて、神さまのことばを大切にしましょう。 

1)神さまに心を向けていれば、神さまの声を聞くことができます。

 

2)ディボーション・お祈り・礼拝メッセージを通して神さまの声を聞くことができます。

 

3)お父さん・お母さん・先生や大自然を通しても、神さまの声を聞くことができます。

 

サムエルやエリやハンナのように神さまにいつも心を向けていましょう。

神さまに、心を注いで祈った後の、ハンナの顔は以前とは違いました。サムエルとエリが、神さまに心を向けるまで、神さまは語られませんでした。「しもべは聞いています」という姿勢の人に、神さまは語ってくださるのです。 

逆にエリの子どもたちは神さまに心を向けない人でした。みなさんも、親が神さまを信じていても、いなくても、自分自身で神さまを信じて仕えていくことが大切です。また、サムエルは、そんなエリの子どもたちと一緒に育ちましたが、神さまに仕え続けました。人に影響されず、自分の心を神さまに向けて、仕えていくことから、ブレないようにしましょう。 

 

あなたも、神さまのことばを、伝える人になります。

サムエルは、神さまの声を聞いただけでなく、伝える人になりました。先生であるエリに神さまの罰のことを伝えるのは怖かったはずです。でも、サムエルは勇気をもって伝えました。みなさんも、神さまのみことばを恐れず勇気をもって伝えられる人になりましょう。

 

ある少年は小学生のときに、お母さんの誕生日のプレゼントに自分で作った賛美をおくることにしました。楽譜も読めないし、楽器もできなかったのですが、聖書の詩編のある部分にメロディーをつけてお母さんに歌いました。それを聞かされたお母さんはとても喜んでくれて、「神様がお前を通して私に語ってくださったことがはっきりとわかった」と言ってくれました。実はお母さんはその時人生の中でとても苦しい経験をしていたのですが、その賛美の歌詞がお母さんを励ますのにぴったりのことばだったのです。

少年はもちろんお母さんが悩んでいたことも知りませんでした。それどころかなぜ自分がその聖書の箇所を選んだかも解らなかったのです。でも神様のことばを届けることができたのです。

 

あなたも神様の声を聞いて、そしてそれを必要としている人に伝えることができます。

神様の声を聞けるように求めましょう。そしてそれを届ける人になりましょう。

 

 

質問(例)

・心に痛みや悩みがあったとき、ハンナは何をしましたか?

・あなたは、神さまが祈りを聞いてくださる方であることを信じますか?

・エリの息子たちは正しい人たちでしたか?

・祭司エリのもとで、神様に仕えて成長したのは誰ですか?

・サムエルを呼んだのはどなたですか?

・サムエルは神様になんとこたえましたか?

・神様はわたしたちにも語ってくださると信じますか?

・神様の声を聞く方法はなんですか?

・神様の声を聞くだけでよいでしょうか?

 

 

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