CSテキスト3年目9月第1週目

聖書知識シリーズ「新約聖書」

 

「福音書」

 

 

目的】

新約聖書の福音書(四福音書)の存在とその違い、目的について知る。

 

エペソ318-19

3:18 すべての聖徒とともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、

3:19 人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。

 

 

 

1,福音書とは

 

「福音」ということばは「良い知らせ」という意味です。

新約聖書には福音書が4冊あり、それを四福音書と呼んでいます。四福音書とは、イエスが私たちの救い主となってくださったというすばらしいニュース(良い知らせ)を伝える4冊の本のことです。

それは新約聖書の最初の4冊の本で、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネという4人の著者の名がついています。

 

 

2、共通点と相違点

 

下の表は、四福音書の中の共通点と相違点(違う点)を示しています。

最初の三福音書はよく似ています。それらは主にイエスのガリラヤ地方での伝道について書かれています。

(ユダヤ伝道についてもふれていますが)。それらは、イエスの御業- イエスの奇跡、群衆に語ったたとえ話や説教-に集中しています。ヨハネの福音書は、これらのことも多少伝えていますが、むしろイエスの意味深い対話や祈りに集中しています。そしてヨハネはおもにイエスのユダヤ地方での伝道について書いて言います(多少ガリラヤでの出来事も含めていますが)

 

四福音書は共に、キリストの地上での任務、教え、奇跡、死、復活を扱っていますが、一方でそれぞれの福音書に相違点もあります。4人の著者が、イエス・キリストの異なった描写(王、しもべ、人の子、神の子)を紹介しようとしています。

 

  

 

 

マタイの福音書

マルコの福音書

ルカの福音書

ヨハネの福音書

イエスについて

の紹介

しもべ

人の子

神の子

共通点

キリストのお働きと死と復活を伝える

 

相違点

おもにガリラヤでの伝道について伝える。

キリストが何をなさったか、行動をより多く伝える

おもにユダヤでの伝道について伝える。

より深い対話や祈りについて伝える。

  



3、旧約聖書のイエス像

 

旧約聖書の預言者たちも、私たちが、福音書に見出す4つのイエス像を描写しました。

預言者たちがイエスについて語ったことを、次の聖句で調べてみましょう。

 

福音書(著者)

イエスについての紹介

旧約聖書の箇所

マタイ

イザヤ9:6、7、32:1、エレミヤ23:5、ゼカリヤ9:9、14:9

マルコ

しもべ

イザヤ42:1-7、52:13-15、53章

ルカ

人の子

イザヤ7:14-16、9:6

ヨハネ

神の子

イザヤ9:6、40:3-5、47:4、エレミヤ23:6

 

 

4,旧約聖書と福音書の関係

 

福音書と旧約聖書の関係はどのような関係があるのでしょう。

実は、旧約聖書で語られた約束が、どのようにして実現したかを新約聖書に書かれています。

イエス・キリストは、旧約聖書の22冊の書物から引用されています。マタイ(19回)、マルコ(15回)、ルカ(25回)、ヨハネ(11回)。

新約聖書の福音書と旧約聖書とは密接な関係があるのです。

 

 

5,結論

 

イエス・キリストの福音、その生涯と言葉を4人の著者が記録したのが四福音書です。そのような書物は聖書全体の中では他にありません。イエス・キリストが如何に重要であるかを知ることができます。

また4人の著者がそれぞれ別のイエス像を記録する必要があったということは、イエス・キリストがそれほど偉大で、深く、広いお方であるかを語っています。イエス・キリストが神であられることを示しています。

 

私たちは神様を完全に理解することはできません。神は私たちの頭で理解できるほど小さな方ではないからです。

その神が人間の姿を取って来られたイエス・キリストについて、四つの福音書を読むことによってより完全なイエス・キリストの姿を理解できるようにしてくださったのです。

 

 

 


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