CSカリキュラム3年目4月第4週目

初代教会シリーズ

 

「パウロ第三回宣教旅行~最期 -ローマへ-」

 

テーマ: 「使命を全うする」

テキスト: 使徒21-28

暗唱聖句II テモテ4:7.

「私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。」

 

 

【導入】

あなたは何かをしようとして(毎日日記を書こう、毎朝ジョギングをしようなど)途中であきらめたり、イヤになってやめたりしたことはありませんか?

これまで何回かにわけて学んできたパウロは神様から与えられた使命を最後までやり抜いた人です。

 

パウロは囚人としてローマへ行くことになりました

(21-26章)

 

ローマはパウロのミニストリーのゴールです。もちろん福音のゴールは地の果てまでであり、すべての民に届くべきものですが、パウロにとっては、目標地点でありました。

それは、聖霊の導きによって、彼の内に立てられた計画でした(19:21、23:11)。

 

理解のための要約(教師用)

パウロはエルサレムでアジヤから来たユダヤ人の群集に捕らえられました。群衆は、自分たちの故郷(エペソ)で、パウロが勢いよく福音宣教をしたので(ユダヤ主義を否定されて)彼に反感を持っていました。彼らは、パウロが、神殿の内庭に入ることを禁止されているはずの異邦人を、連れて入ったと勘違いをして、何の罪も犯していないパウロを死刑にしようとしました(21:21-30)。そこへ千人隊長が駆けつけ、パウロの命は守られました(21:31-22:24)。さらに、神は、パウロを彼のローマの市民権によって守られました(22:25-30)。ローマ市民には、色々な特権が保障されていました。そのひとつとして、ローマ市民にムチ打ちの拷問を与えることは、禁じられていました。神は、その計画の中で、パウロの先祖に、価値あるローマの市民権を与えられたのでしょう。それでもユダヤ人たちは、パウロを罠にかけて殺す計画を企てました。しかし神は、この陰謀からも、彼を守られました(23:12-35)。パウロは、全くの無罪でしたが、エルサレムで裁判を受けると、ユダヤ人によって不正に裁かれてしまう可能性がありました。ローマ市民権を使って、ローマで裁判を受ければ、その心配はありません。しかも、必然的に、神の計画の目標地点であるローマへ行くことができます。パウロは、ローマで裁判を受けることを選びました。ついにパウロは囚人としてローマへ行くことになりました。

 

 

ローマへの航海はたいへん困難でしたが、神さまが守ってくださいました

(27:1-28:13)

 

パウロの乗った船は暴風に見舞われました。船体を守りながら、風に任せるのが精一杯で、何日も不安な日が続きました。そんな中、パウロは、元気を出しなさい、必ずどこかの島に打ち上げられると言って皆を励ましました。ついに船は暗礁に乗り上げ、動けなくなったとき、兵士たちは、パウロを含む囚人たちを殺そうとしました。囚人を逃してしまうと、自分たちが罰せられるからです。しかし百人隊長は、パウロを助けることに決めていたので、他の囚人も皆守られました。こうして、神がパウロを守られたので、全員が座礁した船から脱出して、マルタ島に上陸しました。そこでまむしがパウロに噛みつきましたが、何の害も受けませんでした。人々はパウロを、「この人は神さまだ」と畏れるようになりました。また、パウロは島の首長の父親の熱病と下痢をいやしました。

 

 

パウロはついにローマに到着し、みことばを宣べ伝え続けました

(28:14-31)

 

パウロはついにローマに到着しました。ローマでは番兵付きではあるものの、自分だけの家に住むことが許されました。3日後、パウロはローマにいるユダヤ人に、囚人としてローマに来た経緯を弁証することから始めました。2度目には、もっと多くのユダヤ人がパウロのところに集まり、彼は朝から晩まで神の国のことを証しし、聖書をとおしてキリストを語りました。パウロは軟禁状態のまま2年を過しました。この間に「獄中書簡」と呼ばれる4つの手紙を書き送ったと考えられます(エペソ・ピリピ・コロサイ・ピレモン)。パウロは、たずねて来る人たちをみな迎え、大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えました。

 

※この後のパウロの生涯は聖書には記されていませんが、伝承によりこのローマで殉教したと伝えられています。また書簡の文面からも迫害の手が身近に迫り、パウロ自身が死期を悟っていた様子が伺えます。

 

 

結論 パウロは、ローマで宣教する使命をあきらめないでチャレンジしつづけたので、神さまはパウロを守り、それを成し遂げてくださいました。

 

パウロは最後まであきらめないで福音を伝え続け、神さまは、パウロを守り祝福してくださいました。あなたも、最後まであきらめないで、家族やお友だちが救われるように祈り、愛し、伝道しつづけましょう。お友だちを1回だけ教会に誘って断られ、あきらめてしまったということはありませんか?「あの人に伝道しよう」と決心したのに、いつの間にか忘れてしまっているということはありませんか?断られても、あきらめないで、祈ることは続けましょう。パウロは、神さまが必ずローマに行かせてくださると信じ続けました。

 

あなたは、神さまへの願いごとをあきらめてしまい、祈るのをやめてしまっていませんか?神さまが必ずかなえてくださると、信じ続けることができていますか?あきらめないで求め続ければ、神さまは必ず祝福してくださいます。パウロが囚人としてローマに行ったように、自分では思いもよらなかった方法で、あなたの願いをかなえてくださるかもしれません。期待しよう!

 

あなたも神さまからの使命をいただきましょう!そしてそれを最後までやり通しましょう!神さまはあなたに何をして欲しいと願っておられるのでしょうか?伝道だけでなく、家のお手伝いや、誰かを助けることかもしれません。学校の勉強かもしれません。使命を知ることをプレッシャーに感じるかもしれませんが、心配することはありません。最後まであなたを守り、祝福し、その使命を達成させてくださるのは、神さまご自身です。

 

 

 

【教師用資料】パウロの生涯年表

西暦

使徒行伝、パウロ書簡による

 

前5~4

イエス誕生(推定年)

 

前4

ヘロデ大王死し、強権政治終わり暴動反乱頻発

 

0~

パウロ、キルキア州のタルソスで誕生(詳細年不明)

 

6~

ユダヤ、ローマの属州に。戸籍調査(ルカ2・1)に反対しガリラヤのユダ蜂起(使537

 

20年代

パウロ、ガマリエル下で律法を学ぶ(詳細年不明)

 

28~29

洗者ヨハネとイエスの活動、ヨハネの処刑

 

30

イエスの死と復活、昇天、聖霊降臨(使12章)

 

30~32

エルサレム初期教会(使27章)

 

32

ステファノ殺害(使68760)にパウロ同意

 

ヘレニストのキリスト教徒外地に離散(使8章)

 

33~35

パウロ回心(使9・1~19、ガラテア11316

 

パウロ、ダマスコ→アラビア→ダマスコ(使9・1925、ガラ1・17

 

35~

パウロ、エルサレムに15日間滞在しヤコブと会見35年頃)(使92628、ガラ1・1820

 

42~43

アグリッパ1世(37頃~44、使12章)キリスト教徒迫害し大ヤコブ殉教、ペトロの投獄と脱出(使12217)、主の兄弟ヤコブがエルサレム教会を指導。

 
 

44~45

パウロ、シリア、キリキア伝道(ガラ121

 

46~

パウロ、アンティオキヤに行く(使112526)。

 

パウロとバルナバエルサレムに救援物資を運ぶ(使1127301225)。

 

47~48

パウロ第一回伝道旅行(同行バルナバ、途中までマルコ)キプロス島、小アジア方面(使1314章)

 

48春

エルサレム使徒会議(使15・1~35、ガラ2111

 

49春

アンティオキア事件(ペトロ、パウロと衝突)(ガラ21114

 

49~52

パウロの第二回伝道旅行(バルバナ、マルコ別、使15361822))

 

(49~50年)

 

小アジア→マケドニア州に(使15411610

 

ヒィリピ(使1611)→テサロニケ(使171~9)

 

(50秋~52年春)

 

アカイア州に(使1715)アテネ→コリント

 

コリントに1年半滞在(使181)、Ⅰテサロニケ書

 

53~56

パウロの第三回伝道旅行

 

(53年)

 

ガラテヤ、フルギア地方(使1823

 

(53~55年)

 

エフェソ2年間(使19・1~40)。コリントに中間訪問(Ⅱコリ131212142・1)

 

ガラテア書、フィリピ書、フィレモン書、Ⅰコリント書、Ⅱコリント書

 

(55-56年)

 

マケドニア(使202)、イルリコ(ローマ1519)→コリント3ヶ月(Ⅱコリ1、使202)。ローマ書

 

56

エルサレムに献金(ローマ152628)訪問 

 

パウロの逮捕(使21272335

 

56~58

パウロのカイザリア拘置(使2426章)

 

59

パウロ、ローマに護送、マルタ島の遭難、ローマ到着(使272816),ローマのパウロ(使281731

 

60~62

パウロ処刑64年説あり)

 

62

ヤコブ(主の兄弟)、エルサレムで殉教

 

64

ローマでペトロ殉教(パウロもこの時という説あり)

 

66

第一次ユダヤ独立戦争、キリスト者ペラに避難

 

70

反乱軍エルサレム篭城、エルサレム神殿炎上

 

 

 


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