CSテキスト 2年目5月1週目

旧約聖書シリーズ5

 

「ギデオンの戦い・・・たった300人で?」

 

【聖書】

士師記 7:1~23

 

1 それで、エルバアル、すなわちギデオンと、彼といっしょにいた民はみな、朝早くハロデの泉のそばに陣を敷いた。ミデヤン人の陣営は、彼の北に当たり、モレの山沿いの谷にあった。

2 そのとき、主はギデオンに仰せられた。「あなたといっしょにいる民は多すぎるから、わたしはミデヤン人を彼らの手に渡さない。イスラエルが『自分の手で自分を救った』と言って、わたしに向かって誇るといけないから。

3 今、民に聞こえるように告げ、『恐れ、おののく者はみな帰りなさい。ギルアデ山から離れなさい』と言え。」すると、民のうちから二万二千人が帰って行き、一万人が残った。

4 すると、主はギデオンに仰せられた。「民はまだ多すぎる。彼らを連れて水のところに下って行け。わたしはそこで、あなたのために彼らをためそう。わたしがあなたに、『この者はあなたといっしょに行かなければならない』と言うなら、その者は、あなたといっしょに行かなければならない。またわたしがあなたに、『この者はあなたといっしょに行ってはならない』と言う者はだれも、行ってはならない。」

5 そこでギデオンは民を連れて、水のところに下って行った。すると、主はギデオンに仰せられた。「犬がなめるように、舌で水をなめる者は残らず別にしておき、また、ひざをついて飲む者も残らずそうせよ。」

6 そのとき、口に手を当てて水をなめた者の数は三百人であった。残りの民はみな、ひざをついて水を飲んだ。

7 そこで主はギデオンに仰せられた。「手で水をなめた三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミデヤン人をあなたの手に渡す。残りの民はみな、それぞれ自分の家に帰らせよ。」

8 そこで彼らは民の糧食と角笛を手に取った。こうして、ギデオンはイスラエル人をみな、それぞれ自分の天幕に送り返し、三百人の者だけを引き止めた。ミデヤン人の陣営は、彼から見て下の谷にあった。

9 その夜、主はギデオンに仰せられた。「立って、あの陣営に攻め下れ。それをあなたの手に渡したから。

10 しかし、もし下って行くことを恐れるなら、あなたに仕える若い者プラといっしょに陣営に下って行き、

11 彼らが何と言っているかを聞け。そのあとで、あなたは、勇気を出して、陣営に攻め下らなければならない。」そこで、ギデオンと若い者プラとは、陣営の中の編隊の端に下って行った。

12 そこには、ミデヤン人や、アマレク人や、東の人々がみな、いなごのように大ぜい、谷に伏していた。そのらくだは、海辺の砂のように多くて数えきれなかった。

13 ギデオンがそこに行ってみると、ひとりの者が仲間に夢の話をしていた。ひとりが言うには、「私は今、夢を見た。見ると、大麦のパンのかたまりが一つ、ミデヤン人の陣営にころがって来て、天幕の中にまで入り、それを打ったので、それは倒れた。ひっくり返って、天幕は倒れてしまった。」

14 すると、その仲間は答えて言った。「それはイスラエル人ヨアシュの子ギデオンの剣にほかならない。神が彼の手にミデヤンと、陣営全部を渡されたのだ。」

15 ギデオンはこの夢の話とその解釈を聞いたとき、主を礼拝した。そして、イスラエルの陣営に戻って言った。「立て。主はミデヤン人の陣営をあなたがたの手に下さった。」

16 そして、彼は三百人を三隊に分け、全員の手に角笛とからつぼとを持たせ、そのつぼの中にたいまつを入れさせた。

17 それから、彼らに言った。「私を見て、あなたがたも同じようにしなければならない。見よ。私が陣営の端に着いたら、私がするように、あなたがたもそうしなければならない。

18 私と、私といっしょにいる者がみな、角笛を吹いたなら、あなたがたもまた、全陣営の回りで角笛を吹き鳴らし、『主のためだ。ギデオンのためだ』と言わなければならない。」

19 ギデオンと、彼といっしょにいた百人の者が、真夜中の夜番の始まる時、陣営の端に着いた。ちょうどその時、番兵の交替をしたばかりであった。それで、彼らは角笛を吹き鳴らし、その手に持っていたつぼを打ちこわした。

20 三隊の者が角笛を吹き鳴らして、つぼを打ち砕き、それから左手にたいまつを堅く握り、右手に吹き鳴らす角笛を堅く握って、「主の剣、ギデオンの剣だ」と叫び、

21 それぞれ陣営の周囲の持ち場に着いたので、陣営の者はみな走り出し、大声をあげて逃げた。

22 三百人が角笛を吹き鳴らしている間に、主は、陣営の全面にわたって、同士打ちが起こるようにされた。それで陣営はツェレラのほうのベテ・ハシタや、タバテの近くのアベル・メホラの端まで逃げた。

23 イスラエル人はナフタリと、アシェルと、全マナセから呼び集められ、彼らはミデヤン人を追撃した。

 

 

【聖書の概要】

 

イスラエルの人たちはモーセと共に、神様に導かれてエジプトからカナンの地にやってきました。モーセの後を引きついだヨシュアを先頭に、カナンの地を手に入れたイスラエルの人々は、新しい生活を始めました。しかし、それから何十年もたち、ヨシュアやヨシュアと一緒に戦った人たちも年をとって死んだあと、しだいにイスラエルの人々は神様のことを忘れ、好き勝手な生活をし、中にはバアルという偶像の神に礼拝する者まで出てくるようになり、イスラエルの民は神様から遠くはなれていくようになりました。

 

 すると、敵が次々と現れ、イスラエルを襲うようになりました。イスラエルの人は、そのたびに自分達の罪を悔い改め、神様に助けを求めます。神様はイスラエルがかわいそうになり、士師というリーダーを送り込み、何度もイスラエルを助けます。助けられたイスラエルは、師士が生きている間は、神様に従いますが、士師が死ぬとまた同じように神様から離れていきました。そのような歴史がイスラエルでは繰り返されていきます。士師記の中には13人の士師が紹介されています。士師とは、ヘブル語で「治める人」または「裁く人」という意味です。今日はその士師のひとりであるギデオンのお話です。

 

 イスラエルが神様を忘れ、好き勝手な生活をしていた頃、イスラエルの周りにはミデヤン人という民族が住んでいました。ミデヤン人は遊牧民族で、決まった場所に住み着かず、住むところを転々とする民族です。ミデヤン人の中には、他の部族を襲い、食べ物や家畜を奪う集団もいました。

このミデヤン人が、イスラエルを襲うようになり、イスラエルは非常に弱くなっていきました。イスラエル人は神様を思い出し、助けを求めるようになりました。

 

 そんなある日、ギデオンという若者に神様の使いが現れて言いました。「勇士よ、主があなたと一緒におられる。イスラエルをミデヤン人の手から救え。私があなたを遣わすのだ。」

ギデオンはミデヤン人が怖くて、かくれたところにあるさかぶねで小麦をうっているところでした。ギデオンは言いました。どうして私に、イスラエルを救えるでしょうか。私には力はなく、仲間も少ししかいないのです。本当に神様が助けてくださるなら、神様の力を今見せてください」

ギデオンが岩の上に肉とパンを置くと、神様の使いはそれに杖でふれました。するとたちまち火が岩から燃え上がって、肉とパンを焼き尽くしてしまいました。ギデオンは神様が一緒にいてくださることがわかりました。

 

 ちょうどその頃、ミデヤン人がイスラエルを攻撃しようと大軍を率いてきました。その数は13万5千人以上とも言われています。ギデオンはつのぶえを吹いて「ミデヤン人とたたかおう」と呼びかけました。遠い町や村には使いをおくりました。神様がギデオンを助けてくださると聞いたたくさんの人がギデオンのところに集まってきました。その数は、3万2000人でした。

 

次の日の朝、神様はギデオンに言いました。「あなたと一緒にいる民は多すぎるので、私はミデヤン人を彼らの手に渡さない。イスラエルが『自分の手で自分を救った』と言って私に向かって誇るといけないから。民に言いなさい『戦いが恐いと思う人はみな帰れ』。」ギデオンがこの話をすると、2万2000人の人が山を下りて家に帰っていきました。1万人が残りました。

 

神様はギデオンに言いました。「まだ多すぎる。兵士たちに水辺で水をのませてみなさい」。ギデオンは神様の言うとおりにしました。すると兵士の中にはひざをついて犬のように飲む人と、手で水を舐めて飲む人がいました。

神様はギデオンに言いました「手で水をなめた300人で、私はあなたがたを救い、ミデヤン人をあなたの手に渡す。残りの民はみな、それぞれ自分の家に帰らせなさい。」。

 

その夜おそく神様はギデオンに言いました。「立って、敵の陣営に攻め下れ。それをあなたの手に渡したから。しかし、もし下っていくことを恐れるなら、あなたに仕える若い者プラといっしょに陣営に下っていき、彼らがなんと言っているのか聞いてきなさい。」

ギデオンが山の上から見下ろすとミデヤン人の陣地には、数え切れないほどの兵士やらくだが見えました。ギデオンはプラといっしょに敵の陣地へと下っていきました。

 

ギデオンがミデヤン人の陣地に近寄ってみると、兵士の一人が自分の見た夢のことを仲間に話していました。

「丸いおおきなパンが転がってきて、おれたちの天幕を全部倒してしまった」

それを聞いた仲間が言いました。「その丸いパンはギデオンの軍勢にちがいない。神がギデオンに、ミデヤン人と陣営を渡されたのだ」それを聞いたギデオンは勇気がわいてきました。

 

いそいで自分の陣営に戻ったギデオンは兵士達にそおゆめの話をして言いました。「神はミデヤン人をわれらの手にわたされた。われらの勝ちはきまったのだ」。ギデオンの兵士たちは全員つのぶえとたいまつの入ったつぼを持って出発しました。

 

兵士達は気づかれないように敵の周りを取り囲みました。そしてギデオンのつのぶえを合図に、一斉につのぶえを吹いてつぼを割り、たいまつをかざして叫びました。「主の剣、ギデオンの剣だ」

兵士達はさらに大きくブオーとつのぶえを吹き鳴らしました。大きな声をつのぶえの音 それにたくさんのたいまつの火に ミデヤン人は驚いて、みな走って逃げ出しました。さらに敵同士で同士討ちをはじめました。

大慌てで、にげ出していくミデヤン人を、他のイスラエルの兵士達が追いかけ、イスラエルの地から追い出しました。ギデオンたちはたたかうことなくミデヤン人に勝ったのです。

 

 

【聖書の解説】

【a. 神はどのようなお方か】

【b. 神が何をなしたか】

【c. 登場人物と神様との関係】

【その他】

 

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