CSテキスト3年目5月27日第4週目
「エリヤからエリシャへ」
【テキスト】
Ⅰ列王記19章15-21
Ⅱ列王記2章1節-14節
預言者エリヤは、バアルの預言者とカルメル山で戦い勝利を得ました。しかし、王妃イゼベルの報復を恐れて、砂漠に身を隠しました。そこで神様からの慰めと励ましを受け、再び立ち上がり、自分の後継者を選んで任命する使命が与えられました。そこで、神に選ばれたのがエリシャという人でした。(Ⅰ列王記19章15節~21節)。エリヤは、エリシャに自分の外套を掛けたのですが、これは神様がエリシャをエリヤの後継者に選らばれたことを意味しました。
さて、エリヤが、エリシャに油を注いで、後継者として選んでから約8年が過ぎました。その間、エリシャはエリヤの弟子としてずっと従ってきました。しかし、いよいよエリアからエリシャに神様の働きがバトンタッチされる時が来たのです。
エリヤが、いよいよ天に挙げられる日が近いという時、エリヤは、主の導きによってギルガルを出てベテルに行こうとしました。そして、弟子のエリシャに「あなたはここにとどまっていなさい。」と言いました。すると、エリシャは、「主は生きておられ、あなた自身も生きておられます。わたしはあなたを離れません。」と言いました。(列王記下2:2,4,6)それから、ベテルからエリコに行き、エリコからヨルダンへ行く時まで、計3回エリシャはエリヤに対して同じことを言いました。そしてその都度、エリシャは、師の言いつけに逆らって、「私はあなたを離れません」と言って後をついてきました。
「お前は、もうここまでついて来たから、あとはここで留まっていなさい。」とエリヤが言っても、エリシャは「離れません」と言って、どこまでもエリヤについて行きました。
1、「私はあなたを離れません」
神様の働きを受け継ぐためにエリシャのしたことは、「わたしはあなたを離れません」という思いでした。それぞれ自分にあった信仰の歩みがあります。エリシャも後継者として選ばれてから8年間エリヤのもとで、神様の働きを見ながらここまで来たのです。神様のためにもっといろんなことをしたいと思うのに、自信が持てなかったり、恐れが来たりすることがあるかもしれませんね。
この時、エリシャは、エリヤにどこまでもついて行こうとしました。だいじなことは「わたしはあなたを離れません」という思いです。神様の働きをするときにこの思いがとても大事なのです。
2.「二つ分の霊をください」・・・熱心に求める
列王記下の2:8―10
エリヤは最後にエリシャに、何でも願いを聞いてあげるから言いなさいと言いました。するとエリシャは、「二つ分の霊」を下さいと言いました。これは、申命記21:15~17に出ておりますが、長男の権利として親の財産を他の兄弟の二倍いただくことができるという考えから来ています。
つまり、エリシャは自分がエリヤの最初の霊の子供として、イスラエルを導くための預言者としての第一の後継者であると言うことを認めて欲しかったのです。わたしもエリヤのように神様の働きをさせてくださいという思いだったのでう。それにふさわしい預言者の賜物、また様々な奇跡を行なう力を与えて下さるようにと師であるエリヤに願ったのです。
それに対して、エリヤはあなたは難しい願いを言われると言います。確かに、預言の賜物を与えるのは人間のすることではありません。賜物は天からきます。神様が与えて下さらなければ誰も預言をすることはできません。
エリシャは最初は神様から後継者として選ばれたのですが、エリシャも神様に熱心に求めたということです。このエリシャの態度の大事な点は、神からの賜物を熱心に求めたことです。
「求めよ、さらば与えられん」とあるように、わたしたちもエリシャのように、「私に二倍の霊の賜物を下さい」と熱心に求めましょう。神様の働きを十分にするためには、熱心に求めることはとても大事なことです。
3.エリヤの外套
最後に二つ分の霊の賜物を受けたエリシャが、どう変わったでしょうか。
13節から読んでみましょう。「エリヤの着ていた外套が落ちて来たので、彼はそれを拾い、ヨルダンの岸辺に引き返して立ち、落ちてきたエリヤの外套を取って、それで水を打ち、『エリヤの神、主はどこにおられますか』と言った。エリシャが水を打つと、水は左右に分かれ、彼は渡ることができた。エリコの預言者の仲間たちは目の前で彼を見て、『エリヤの霊がエリシャの上にとどまっている』と言い、彼を迎えに行って、その前で地にひれ伏した。」とあります。
エリシャは、自分の着ていた衣を二つに引き裂きました。そして、エリヤが残してくれた外套を着る時がきました。
これは、自分の今まで来ていた古い考えや気持ちをそこで投げ捨てる姿です。
もしかしたら神様の働きのためには、自分の力が小さく見える時があるかも知れません。でも神様からいただく外套(賜物)を受ける時に、エリヤのように偉大な働きをすることができるようになるのです。
エリシャがエリヤの外套を使ってヨルダン川の流れを打ったところ、水は左右に分かれ彼はそこを通って反対側に渡ることができました。これは、モーセが海を分けて渡ったこと(創世記14章)、そしてヨシュアがヨルダン川を渡った(ヨシュア3章)という奇跡の出来事を思いだします。周りの人たちは、エリシャこそエリヤに代わってイスラエルを導く真の主の預言者だということをはっきりとわかったのです。一人の農夫だったエリシャは、ここで国を神様に導くリーダーとなりました。
私たちも、神様に選ばれて、一人一人が神様の働きをするように計画されています。
今すぐに何かができるようには思えなくても構いません。でもエリシャが神様にしたがっていったように、私たちも神様にしたがっていくものになりましょう。
大事なことは、
1、 神様から離れない
2、 熱心に求める心を忘れない
ことです。