CSテキスト3年目4週目
初代教会 -聖霊の働き-
出典元(こひつじ)
「ステパノの死」
テキスト 使徒の働き6:1~8:4
暗唱聖句 マタイ5:10
導入
あなたは、イエスさまのことを伝えて、バカにされたり、いじめられたりしたことがありますか?今まで、世界の歴史の中で(日本でも)イエスさまを伝えるために、殺されてしまった人が大勢いるのを知っていますか? 今日は、イエスさまを伝えたために殺された、初めの人についてのメッセージです。
先週、足の不自由な人が、イエスの御名によって癒されたお話を聞きました。その後も、使徒たちを通して、ますます多くの不思議なわざとあかしの奇蹟が行なわれ、多くの人が救われ、教会は勢いを増して来ました(4:4,31-33、5:12,14,15‐16,19‐20など)。
しかし、それをねたむ人・怒る人も出てきました(4:2‐3,17、5:17‐18,33,40)。
「迫害」…信仰のために、他人から妨害をうけたり、苦しめられたりすること。
1 教会は人が増えて問題が起こってきました
ステパノは聖霊に満たされ、神さまに用いられる人でした(6:1-8) 教会に、色々な文化や習慣の人たちが大勢集るようになると、お互いに悪意がなくても、問題が起ってきます。原始教会でも配給のことで問題が起りました。使徒たちは教会のリーダーとして、それらを解決する責任がありました。
使徒たちが祈りとみことばに専心できるように、7人が選ばれました
しかし、食事やお金の世話、発生する問題の処理を逐一していては、彼らの第一優先の使命である福音宣教ができなくなってしまいます。それは教会として適切なあり方ではないと判断され、そのような仕事を受け持つ7人の人が選ばれました。
その1人ステパノは信仰と聖霊に満ちていて、神さまの恵みと力をあらわす人でした
ステパノはその7人のうちのひとりでした。つまり、「御霊と知恵とに満ちた、評判の良い人」でした。また彼は「恵みと力とに満ち、人々の間で、すばらしい不思議なわざとしるしを行なって」いました。これらの表現からわかるように、ステパノが凄い能力を持っていたのではなく、神がステパノを通して大胆に働いておられたということがわかります。
①教会では貧しいやもめ(夫と死別し独身となっている女性)たちに、配給をしていました。
②救われたユダヤ人には、ギリシヤ語を使う人たちとヘブル語を使う人たちがいました。
2 イエスさまを伝えたステパノは、迫害されました(6:9-15)
聖霊の力で伝道するステパノを、不満に思う人たちがいました
ステパノの力強い伝道は、色々な意味で波紋を広げました。彼の働きで救われる人々も多かったはずですが、反感をもつ人も現れました。反対者たちは、ステパノと議論になりましたが、ステパノは知恵と御霊で語っていたので彼らは対抗できませんでした。
そこで、偽証人をたてて、ステパノを告発しました。
群集は怒りに燃えていましたが、ステパノは聖霊に満たされて、御使いの顔のように見えるほどでした。
人々がステパノに反感を持ち、議論になった理由については、明確に記述されていません。しかし、6:13‐14、7:2-53から、ステパノが「イエスは神の子であり救い主である」ということを、大胆かつ直接的に(激しい勢いで)語ったことがわかります。また同様に、モーセの律法(特に神殿の意義について)よりも、キリスト・イエスによる新しい契約が有効だと主張し、ユダヤ人の信仰や習慣を否定したことも、反発の原因だったと推察できます。この迫害の原因となったユダヤ主義的背景を理解することは難しいかもしれません。しかし、自分の身の周りについて考えてみると理解できるでしょう。日本でも、「イエスさまだけが救い主です」と伝えるだけで、自分の宗教を否定されたと怒り出す人がいるのではないでしょうか。 ✎13・14節とマルコ14:58(イエスが告発される場面)を比べてみましょう。
3 ステパノはイエスさまを伝えて殺されましたが、福音は広がり続けました
ステパノは、彼らが聖霊に逆らっていることを責めました(7:1-53)
ステパノは、旧約聖書の歴史(アブラハム・ヨセフ・モーセなど)は、イエスによって完成される救いの歴史だということを弁証しています。律法も神殿も預言者も、イエスによって救いが成し遂げられるための計画だという理解を表したのです。
さらにステパノは、イスラエルの人々が、ずっと聖霊に逆らっていると指摘しました。そして、神のひとり子を信じようとしないばかりか、十字架にかけて殺してしまった不従順さと愚かさを非難しました。これを聞いてイスラエルの人々は激しく怒りました。
ステパノは殺されましたが、最期までイエスさまを見上げ、お祈りをしました(7:54-60)
しかしステパノは聖霊に満たされ、イエスの姿を見るに至りました。裁判で正式な判決が下ったのではなく、怒りに燃えた人々が、ステパノを石で打ち殺しました。その間も、ステパノはイエスの名を呼び、ゆだねて祈っていました。イエスの祈りに従って、群衆のためにとりなしの祈りもしました。
この日から、教会に対する激しい迫害がおこりましたが、それによって散らされた人たちがみことばを伝えるきっかけになりました(8:1-4)
この日から、教会に対する激しい迫害がおこりました。しかし忘れてならないことは、それによって散らされた人たちがみことばを伝えるきっかけになりました。そして福音は広がっていったのです。
結論
ステパノは力強くイエスさまを伝えたので、迫害されましたが、福音は広がり続けました。あなたも、イエスさまを信じる生活をしていることで、人からバカにされたり、いじめられたりすることがあるはずです。迫害されるのがイヤで、伝道をやめたくなることもあると思います。そんな時は・・・
① 聖霊さまが助けてくださるように祈ろう!
イエスさまはあなたを守り、強めてくださいます。そして「大丈夫だ世よ」と言ってくださいます。イエスさまは、ご自身に従う者を、放っておくはずがありません。必ずケアしてくださいます。
②苦しみを受ける意味を、神さまにたずねてみよう!
A.あなたを砕き、より強く優しい人に変えようとしてくださっているのでは?バカにされてもその人を愛しましょう。ステパノは迫害する人のために祈りました。
B.あなたを聖め、さらに神さまの臨在に近づけてくださろうとしているのでは?ステパノは天にいるイエスさまを見ました。
C.もっと聖霊のみわざがあらわれて、福音が広がるように計画しておられるのでは?神さまはステパノの死をも益として福音宣教を拡大してくださいました。
② ステパノのように聖書をよく学びましょう。
ステパノは、困難な状況でも、しっかりと聖書のみことばから、イエスさまのことを伝えました。いつでもチャンスがあったら証しができるように、普段から聖書を読み、神さまの愛を体験していこう。