CSテキスト 3年目  7月第1週目

 

「枯れた骨の復活」

 

 

テキスト エゼキエル書37114

 

・エゼキエルは幻の中である谷に案内される。そこには多くの枯れた骨があった。

エゼキエルはエルサレム滅亡後、帰る場所を失ったバビロンの捕囚民の絶望を見て、「彼らはもう死んでしまった」と失意を深めていました。

 

エゼキエル37:1-3

「主の手が私の上に臨んだ。私は主の霊によって連れ出され、ある谷の真ん中に降ろされた。そこは骨でいっぱいであった。主は私に、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。そのとき、主は私に言われた『人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか』。私は答えた『主なる神よ、あなたのみがご存じです』」。

 

・主はエゼキエルに向かって言われた「骨に向かって生き返れと預言せよ」。

エゼキエルが預言すると、骨は音を立てて結合し、筋と肉が生じ、皮膚が覆われ、人となりました。

 

エゼキエル37:4-8

「『これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け・・・見よ、私はお前たちの中に霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。私は、お前たちの上に筋をおき、肉を付け、皮膚で覆い、霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。そして、お前たちは私が主であることを知るようになる』。私は命じられたように預言した。私が預言していると、音がした。見よ、カタカタと音を立てて、骨と骨とが近づいた。私が見ていると、見よ、それらの骨の上に筋と肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った」。

 

・その肉体に主が命の息を吹き込まれると、見よ、人々は動き始めた。

 

エゼキエル37:9-10

「『霊に預言せよ。人の子よ、預言して霊に言いなさい。主なる神はこう言われる。霊よ、四方から吹き来れ。霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る』。私は命じられたように預言した。すると、霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立った。彼らは非常に大きな集団となった」。

 

・捕囚民は言った「我々の骨は枯れた、望みは失せ、滅びる」。その絶望の中にある人々に主の言葉が働いた時、人々は希望を持った。このエゼキエルの「枯れた骨の復活」は再生の印であり、多くの人を励ましてきた(参考資料参照)。

 

エゼキエル37:11-14

「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。それゆえ、預言して彼らに語りなさい・・・私はお前たちの墓を開く・・・私はお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。私が墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき・・・お前たちは私が主であることを知るようになる。また、私がお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。私はお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主である私がこれを語り、行ったことを知るようになると主は言われる』」。

 

 

エゼキエルは「干からびた骨の谷」の幻を見また。「見よ、谷の面には、はなはだ多くの骨があり、皆いたく枯れていた」のです(27:2)。

 

これは、バビロンによって滅ぼされたかに見えたイスラエル民族(ユダヤ人)のことです(37:11)。その後、ローマ帝国によって滅ぼさることになるユダヤ人のことも念頭におかれているであろう。

「人の子よ、これらの骨は、生き返ることができるのか」と主は問いかけられました(37:3)。一般的には不可能です。あり得ないことです。

バビロンの捕囚となった民が、約束の地に戻って国を再興することをだれが想像できたでしょう。また、ローマによって離散の民となったユダヤ人が、国を復興させるなどとだれが想像できたでしょう。

しかし、その干からびた骨に向かって預言せよ、と主は言われます。「わたしはあなた方の上に筋を与え、肉を生じさせ、皮でおおい、あなた方の内に息を与えて生かす。そこであなた方はわたしが主であることを悟る」と(37:6)。

現在、イスラエル(ユダヤ人)は形の上では再興しています。しかし、霊的にはまだ暗やみの中です。注目すべきは「息を与えて」です。「息」とはヘブル語で「ルアッハ」で「霊」「風」とも訳す言葉です。

 

神は、人の肉体を土の塵によって創造し、そこに、いのちの「息」を吹き入れられると、人は生きる者(原意:生きた霊)となったことを思い出してください(創2:7)。

そうです。息(霊)が注がれる時、人は本当の意味で生きるのです。人はパンだけで生きる存在ではなく、神の御言……つまり「霊的な食物」によって生きるのです。

 

罪によって霊的な死が支配した人類に、神は、再び霊(息)を注がれる時代が来るのです。イエス・キリストは「聖霊によってバプテスマを授けるお方」です。ですから、エゼキエルはさらにこう預言しました。「息よ、四方から吹いて来て、この殺された者たちの上に吹き、彼らを生かせ」(37:9)。「息はこれに入った。すると彼らは生き、その足で立ち、はなはだ大いなる群衆となった」のです(37:10)。

 

 

これは、イスラエル(ユダヤ人)だけのことではありません。今の時代のすべての人々に必要なことは、息(霊)が吹き入れられることです。これこそ、罪の結果、霊的には「干からびた骨」のようになってしまった人々を生き返らせる道です。

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